母との闘病日記

母と私の生きた証を残したい

~ 誤嚥性肺炎 後悔-再入院の章(10/21)③ ~

10月21日(土) 合併症病棟(閉鎖病棟

~ 続き ~

院長先生との話しが終わり、相談員のBさんが閉鎖病棟の案内に来た。

 正面玄関を出て、小雨の降る中、病院の側面にある閉鎖病棟入口まで来ると、「ここが閉鎖病棟への入口になります。この扉を開けるには職員と同伴して来て下さい。今日は私が扉を開けますので

核シェルターのような鉄扉を入り階段を上ると、3人が座れる程度の長椅子が置いてあるだけの6畳ぐらいの待合室があった。

ここで一旦、相談員のBさんから説明を受ける。

・H病院から、患者が大声で叫ぶ、壁などをドンドン叩くと連絡を受けています。

・この先に行くには、このオートロック式の扉を、インターホンで中に居る看守を呼び開けて貰います。

・外から開けることはできません。

・病棟には精神科以外にも内科があり、肺炎の治療も可能です。

・面会時間は、午後1時から4時半迄です。

・家族のみ面会ができます。

・持参できる物は原則禁止ですが、特にハサミ、ナイフ、紐の付いた物は、自殺のほう助となるので持ち込めません。

・病棟にはレクレーションルームがあり、テレビが置いてあります。

そこに歩いて行ける患者は見ることができます。

・病室は個室から4人部屋迄あり、病状により決めさせて頂きます。

私から質問等をする。

・H病院では、大声で叫んだり壁などを叩いていない。事実無根である。

・H病院からは、認知症と嚥下機能の改善の為、紹介された。

・病室が個室となった場合、値段はいくらになるのか?

 <相談員>こちらが決めるので差額ベット代は発生しません。

・容態が良くなれば、車椅子に座らせたりして身体を動かせて貰うことは可能か?

 <相談員>その程度のことならば可能です。

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一通りの説明が終わり、相談員のBさんがインターホンで看守を呼び扉を開けてもらう。

中に入ると、そこには映画やテレビドラマで見る刑務所の風景と似た物だった。各病室の廊下側は、壁やドアが鉄柵になっている。

勿論、窓にも鉄柵が付いている。

刑務所との違いといえば、鉄柵が白い塗装がされているのと、ベッドは病院で使用するベッドが使われている。

そして、バイタルをチェックするモニター装置が備えてある。

男性の認知症患者の大きい叫び声が聞こえる。

一歩踏み出すと、Bさんが、「患者のプライバシーがあるので見学はここまでです。」と足止めする。

これでは「認知能力や嚥下機能を改善させる施設というよりは、暴れ狂う認知症患者を収容する施設と言ったほうが正しいだろう。

重ねて言うが、母は病院で大声で叫んだり壁を叩いたりしていないのである。

そう思うとH病院の仕打ち(転院の紹介)に、段々と腹が立ってきた。

見学はここまでで、オートロック式の扉から外に出る。

Bさんが「先ほど話しを伺って、もしそうであれば当病院ではなく、リハビリ科のある病院が良いと思います。」と話す。

全くその通りである。

H病院がリハビリ科の病院を紹介しなかったのは、H病院にもリハビリ科があるからである。

以前に一度だけ、H病院のリハビリ科の先生に診て貰ったことがあったが、手に負えなかったことがある。

一度診ただけで、リハビリ科のある病院から、他のリハビリ科のある病院を紹介するのは気が引けたのだろう。

帰り際に、Bさんが「どうしますか?入院の手続きをしていきますか?」と尋ねるので、丁重にお断りして帰宅する。