母との闘病日記

母と私の生きた証を残したい

~ 誤嚥性肺炎 死神病院の章(12/17) ~

12月17日(日)  胃ろう

以前、介護休暇をとる直前に、会社の同僚と、私は母の事を、同僚は祖母のことを話すことがあった。

同僚は、祖母の容態が悪くなる前から、家族と相談しICU(集中治療)はしない、治る見込みがなく延命のためだけなら点滴もしないと決めていたそうだ。

私はまだハッキリとは決めていない。本心は、普通の生活に戻ってくれるのなら、どんな治療も受けさせたいのだが、母のことを冷静に考えると、87才の高齢であり、痩せていて体重は35㎏に満たない、背中は曲がっていて背虫のようである。

昔より医療は発達しているとしても、母の体力では身体が持たないのは明らかであるし、様々な医療器具を身に着けている姿は想像がつかない。

そうだとしても、では、どこまでで線引きをするかは非常に難しい。

今週は、呼吸が荒くなり、食事も取れず水も飲めなくなっているが、意識ははっきりしている。そして、何よりも、自分の意思でベッドから出て歩こうとするのである。

残念ながら、力尽きてベッドの下に倒れてしまっているが。

私が押し黙っていると、同僚はうちのおばあちゃんの時は決めていたと話す。

同僚には失礼だが、祖母であれば決定権は同僚の両親又は両親の兄弟だろう。

同僚自体が決断を下すのではなく、両親たちの意思に従ったに過ぎない。

私には兄弟がいない。父は少し体調が悪くなった頃に、お母さんを頼むと言って、数カ月後に他界している。すべては私が決めなければならないのである。

色々な人からICU(集中治療)について噂を聞くが、治療を受ける患者にとっても、かなりの苦痛を伴うらしい。

私も、ICU(集中治療)は、しないつもりでいる。

同僚はICU(集中治療)で、かなりの治療費が掛かることも知っていた。

この時に、どの位かかるか聞かなかったが、後で調べたら治療内容にもよるが、1日10万程度かかるようだ。1ヵ月では300万にもなる。

そして、色々調べたり聞いたりして、口から食べ物を取れなくなった人に、「胃ろう」(お腹に穴を開け、直接胃に栄養物を送る)というものがあることを知る。

胃ろうについて、ネットで調べて分かったことは・・・

 ・胃ろうの手術が必要なこと。

 ・寝たきり生活になると思っていたが、栄養補給以外の時は、蓋をして外出もできること。

 ・風呂に入ることができること。

 ・お腹に穴を開ける為、その周りは清潔に保つ必要があること。

 ・誤嚥しないとは限らないこと。

  (胃から逆流して器官(肺)に入ることがある為)

前にも触れたが、母に医療機器を取り付ける姿は想像も付かない。

母自体を見れば、無理だと判る。

しかしながら、もしかしたら良くなってくれるかも知れない。と微かな希望を持ってしまうのである。

母の意識があり、自分の力で歩こうとする意思がある以上、私の線引きとしては、胃ろう迄は考えたいと思う。

今度の火曜に病院に行った時に、死神院長に胃ろうをお願いすることにする。

午前9時 介護ヘルパー

【ヘルパー記録】

   時        間                            内               容
9:00~10:00 ○うがいが出来ない為、口腔ケアしています
○食事一口のみ
おむつ交換
姿勢確保
水分補給
服薬介助

午後6時 介護ヘルパー

【ヘルパー記録】

   時        間                            内               容
18:00~19:00 ○水分スプーン一口のみ
○服薬はできていません
おむつ交換
姿勢確保
体位変換
口腔ケア