~ 誤嚥性肺炎 死神病院の章(12/21)④ ~
12月21日(木) 運命の日・当日④
母は通常の救急治療室に運ばれる。
父の命日の日に、しかも、父が運ばれた同じ病院で治療を受けている。
父が母を迎えに来ている気がして、きっと助からないだろうと思っていた。
待合室で待機していると、看護師が母の病歴を確認するため質問を受ける。
そして、1~2時間経過しただろうか、一通りの検査が終わり、主治医となるWD先生から話しを受ける。
検査結果から極度の脱水症状によるものが大きいと聞かされる。
救急治療室の中へ入り、母のいるベッドに案内される。
「ここで見守っていて下さい。何かあればナースコールのボタンを押してください。」と説明を受ける。
暫くの間、母の手を握り見守っていると、「あれっ、母が手を握り返してくる。」
そして、ゆっくりと目を開け、私が居ることに気が付くと、一筋の涙を流し私を抱き寄せる。
「意識が戻った!」
看護師を呼び、母の意識が戻ったことを伝える。
母はここがどこなのか、目線だけを動かし辺りを見回す。
「今日は、大丈夫なような気がする」
そこで、一度家に帰り、先程看護師から頂いた入院の手続きの書類を書き上げ、戻って来ることにする。
看護師に、私の携帯の番号を伝える。
看護師から、ここは救急処置室なので病室の手配が出来次第そちらに移します。
個室がいいですか?大部屋がいいですか?と聞かれたので大部屋を希望した。
もし、戻って来られて、ここに居なかったら受付で聞いて下さい。と教えて頂く。
先生からは、「いつ、何が起きても、おかしくない状態です。くれぐれも油断しないで下さい。」と忠告を受ける。
「死神院長とは、大違いである。」
夜間通用口にあるタクシー呼出し専用電話でタクシーを呼び家に戻る。
~~~ 続く ~~~